心を軽くする方法~認知行動療法のblog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

認知の歪み

【認知の歪み】恣意的推論

恣意的推論

認知の歪みの種類で恣意的(シイテキ)推論というものが有ります。
恣意とは
自分勝手な、思いつくままの考え。
引用:weblio
の事です。
充分な証拠や理論もなく、思いついたことで想像する認知です。
例えば、サスペンス映画を見ていたとしましょう。
序盤で怪しい素振りを見せた人がいたら、皆さんはどう考えるでしょうか。
恣意的推論の場合、「この素振りは犯人に違いない!」と考え、映画が終わるまでその人が犯人だという証拠を探そうとします。
ですが、序盤に怪しい素振りをしただけの人を犯人と決め付けてしまうのは、証拠不十分ですね。
サスペンス映画の場合は、最後にどんでん返しという具合に問題にはなりませんが、恣意的推論が日常的に出てくる場合は要注意です。
問題は恣意的推論に基いた予測を現実に起こると信じて感情がマイナスになる点です。
例えば、現実に起こりえそうな事象として、上司が挨拶に返事をしてくれなかったとしましょう。
恣意的推論だと
「私は視界に入らない程度の人間なんだ」
「私は嫌われたんだ」
などの推論を現実と思い込んでしまいます。
挨拶に返事をしないという事実が証拠ではありますが、即『嫌われた』『自己否定』となってしまうのは時期尚早です。
上司は大変な悩みを抱えて周りが見えなくなっていただけかもしれません。
上司からすると声が聞こえなかっただけかもしれません。
推論というのはあくまで可能性を考えることです。
100%の答えを出すためにはこの状況では難しいという考えをすることが大事です。
また、推測に捉われてしまうという事も問題です。
不安に思い、想定や準備をする事は良い事ですが、不安に飲み込まれて感情がマイナスになっている場合は発想を変える必要があるでしょう。

恣意的推論をしないようにするには、状況を冷静に観察し、事実に基いた推論をいくつもするということが大切です。
なんか名探偵のようですね。

認知の歪みの共通点

認知の歪みの共通点

認知の歪みには様々なパターンがあります。
認知行動療法での認知の歪みの例はこちらの記事→認知行動療法とは
どのような認知の歪みでも共通している事があります。
それは、自分の価値観を最優先で当てはめるという部分です。
本来、価値観というのは人それぞれが持っているものです。
好きな食べ物が違ったり、反応の差があったりと様々なところで見られます。
これは、気質や育ってきた環境が違うのですから当たり前の話しです。
但し、認知で問題になるのは、自分の価値観だけ、または自分の価値観を優先して物事を考えている部分です。
自分を守るためにそうする人が多いのですが、そればかりでは争いだらけになってしまいます。

例えば、たまに見かけるパクチー論争。
「パクチーなんて食べてる人の気が知れない」と言う人もいれば「パクチーを食べられないなんて人生を損してる」と言う人もいます。
好みがはっきり分かれるものに対しての価値観というものは主張したくなるものです。
承認欲求や自己顕示欲がそうさせるのかもしれません。
ただ、パクチー程度ならかわいいものですが、これが性別や宗教、国となってくると大変な事になっていきます。

大事なのは、お互いの意見を尊重するという事ではないでしょうか。
パクチーが食べられない人に勧めるのではなく、パクチーが好きな人を否定するのでもなく、両方が正しいという前提で尊重するという事です。
それぞれの認知の歪みに対してこれは言えるものです。
価値観を押し付けないように気をつけると認知の歪みも変わっていくものではないでしょうか。

自分の感情を把握する事の難しさ

認知行動療法を行うときには、自分の感情を把握する必要があります。
これが意外と難しいことで、なかなか自分で具現化できない事も多くあります。
出来事に対して自分の気持ちから出てきたものが「感情」ではなく「思考」になっている人が見受けられます。
例えば、「上司に怒られた」という時に、「上司が間違っている」「私は悪くない」と思うことが感情だと思っているケースがあります。
これは感情ではなく思考結果です。
上司に怒られた→上司が間違っている
ではなく
上司に怒られた→感情→上司が間違っている
となります。
認知行動療法で行う作業の中で、出来事に対して分析を行う方法があるのですが、この感情の部分がなかなか出てこないという方は多くいらっしゃいます。
これは、反射的に思考している方に多く、言葉にすることが難しいということもあります。
このために感情を日々書き出すという作業を前段階に行うのですが、そのような方は難しいと感じて止めてしまう事が多いのは否めないことなのかもしれません。
ですが、自分の感情を把握して、自動思考と感情の元になっている自認知の歪みを修正するには最初の感情を把握する事は必須です。
日々、自分が感じている感情を考えるクセをつけると、自分の中で起こっているプロセスをひも解くことが出来るようになっていきます。
まずは、頭の中でも良いので『今の自分はどんな感情なのだろう?』と問いかけるクセをつけることが大切です。

「~べき」思考の大切さ

「信号は守るべき」

「私は頑張り屋であるべき」

「あなたは私の子供なのだからこうあるべき」


このように自分ルールを設けて忠実に守る思考のことを「べき思考」と言います。

ほとんどの悩みの原因には認知の歪みというものがあって、べき思考はそのうちの一つです。

皆さんも一つくらいは持っているのではないでしょうか。

もし、そのべき思考が悩みの原因になっているのなら改善をはかりたいものです。


カウンセリングの中では、認知の歪みに着目して、その修正を行います。

ですが、認知の歪みが全て悪いという訳ではありません。

私も、クライアントに上手く説明が伝わらない事もありました。

べき思考っといってしまうと、それ自体が悪い事のように感じてしまわれるそうです。

確かに、極端に考えると「悩みの原因=悪いもの」になってしまうのは考え方としては間違っていないのかもしれません。

ですが、このべき思考は悪いところばかりではありません。

例えば、がむしゃらに頑張って目標を達成するような方は、べき思考を持っていることがほとんどです。

「私は目標を達成するべき」

「私は強くあるべき」

「周りは私を賞賛するべき」

この強い思いがあってこそ目標を達成する源になっていることが多くあるからです。

問題なのは、べき=過度のストレスになってしまう時です。

この時はべき思考を見直すことが必要でしょう。


ちなみに、べき思考を修正するプロセスは、

1、自分が何に対してべき思考をしているかを知り、その思考になった原因を考える。

 →自分がべき思考をしていると気が付いたら、その思考が身に着いた原因を考えます。
  大抵は育った環境でそうせざるを得なかったのが原因です。
  その原因の見方を変えることによってべき思考が本当に自分に必要なことなのかがわかります。

2、自分のべき思考が一般的にどのようなものなのかを考える。

 →あまりにも常識はずれなべき思考は過度のストレスになりやすいものです。
  あまりにも常軌を逸した強いべき思考は捨てる必要があるかもしれません。

3、「べき」を「かもしれない」に変えていく。

 →ここが一番大切な部分です。
  「べき」→「べきではない」にしてしまうと今度は「べきではない」がべき思考になって行きます。
  それでは、逆になっただけで意味がありません。
  「かもしれない」という中間を取るようにします。

  そうすると「べき」をよく考える事ができ、 本当に自分に必要な方向性が見えてきます。
  もちろん中間を取るという事は迷いや不安を生みます。
  ですがそれを乗り越えてこそ、満足感が得られるのではないでしょうか。


以上がべき思考を修正するプロセスです。

「べき」自体も大切な思考である事も意識すると、修正の近道になるでしょう。

 「べき思考を直すべき」にならないようにすることが大切です。
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