認知行動療法を行うときには、自分の感情を把握する必要があります。
これが意外と難しいことで、なかなか自分で具現化できない事も多くあります。
出来事に対して自分の気持ちから出てきたものが「感情」ではなく「思考」になっている人が見受けられます。
例えば、「上司に怒られた」という時に、「上司が間違っている」「私は悪くない」と思うことが感情だと思っているケースがあります。
これは感情ではなく思考結果です。
上司に怒られた→上司が間違っている
ではなく
上司に怒られた→感情→上司が間違っている
となります。
認知行動療法で行う作業の中で、出来事に対して分析を行う方法があるのですが、この感情の部分がなかなか出てこないという方は多くいらっしゃいます。
これは、反射的に思考している方に多く、言葉にすることが難しいということもあります。
このために感情を日々書き出すという作業を前段階に行うのですが、そのような方は難しいと感じて止めてしまう事が多いのは否めないことなのかもしれません。
ですが、自分の感情を把握して、自動思考と感情の元になっている自認知の歪みを修正するには最初の感情を把握する事は必須です。
日々、自分が感じている感情を考えるクセをつけると、自分の中で起こっているプロセスをひも解くことが出来るようになっていきます。
まずは、頭の中でも良いので『今の自分はどんな感情なのだろう?』と問いかけるクセをつけることが大切です。