心を軽くする方法~認知行動療法のblog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

考え方

相手の考え方が間違っていると思うこと

「その考えは間違っている」といいたくなる時ってありますよね。
でも、それは相手を否定していることであり、時には相手を傷つける事もあります。
本来は相手を傷つけたくないという思考がはたらいて、思っていても言わないという人も多いでしょう。
ですが、親密な関係の人にはどうしても言ってしまうという事もあると思います。
では、この事象を少し掘り下げて考えてみましょう。

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 相手の考えが間違っているという事は、自分の考えが正しいと思っているということです。
自分の考えが一般論で多数派の考えでそうなる場合もありますが、それもその人の中で正しいと思われている物です。
そして、相手に対して間違っていると感じ、それを相手に言うという事は、自分にとって何らかのデメリットがある場合です。
実質的なリスクがある場合もありますが、間接的に「相手の考えが自分とは違い、自分の考えが否定されているように感じる」というケースもあります。
この場合は、感情が傷つくというデメリットがあります。
それによって、相手の考えを正そうとしたり否定したりしてしまいます。
では、何故相手の考えが自分と違うと否定感を覚えてしまうのでしょうか。
否定感の根源には承認欲求が満たされず傷つく感情があります。
承認欲求は相手に認められ受け入れられたいと思うことです。
相手と考えが違うという事は承認欲求にそぐわないという事ですので、自分の考えが正しいという主張をして、認めさせようとします。 
本来、相手と違う事は否定をされている訳ではありません。
ですが、自尊心が低かったり、圧力的に言われた時は否定感を感じてしまいます。
その承認欲求を満たさない否定感で自分が傷つき、そのマイナスな感情を相手に返そうとします。
これが相手の考えが自分と違う時に起こる感情の流れです。

ここで大切なのは、「相手の考えが自分と違うというのは自分の考えを否定している訳ではない」ということに気が付く事です。
100人いれば100通りの考え方があります。
一般論的に多数派だとしても、誰にとっても正しい考えというものはありません。

それぞれがその人の中で正しい考え方です。 
誰もそれを否定する事はできません。
だから、そもそも相手と違うということで自分が傷つく必要はないんです。
「そういう考え方もあるんだなぁ」と受け取り、必要ならば自分の考えも伝えるというのが良い方法だと思います。
伝える時も、否定的に聞こえないように「自分はこういう考えなんだけど君のような考え方もあるんだなぁ」などのように押し付けにならないようにしましょう。
自分の考えを相手がどう感じ、どう変わるかは相手次第です。
自分の考えが自分にとって正しい考えで、相手にとっては違うのかもしれないという定義を忘れてはいけません。
それと自分の考えに自信と柔軟性を持つ事も大切です。
考え抜いて自分が納得できる理由があり、他の考え方に触れたときに変えていく事もできる考え方を身につけましょう。
考え抜けば自分の考えに自信がもてますし、柔軟性があればそれは自分にとって成長ということでもあるからです。

相手の考えを間違っていると言う前に、もう一度相手の考えと自分の考えを評価しなおしてみましょう。
また違う一面が現れてお互いにいい考えに行き着くかもしれません。

幸福になるためにやってはいけない考え方3つ

今日は幸福になるためにやってはいけない考え方を紹介します。

と言うか、これをやっているとマイナスな感情が起こってしまうということでもあります。

マイナスな感情が生まれにくければ幸福という逆説です。 

1、他人に自分を重ねる

「私だったらこうするのに」「こんな事をする人は信じられない」などの考え方をした事は無いでしょうか。

これは、他人に自分を重ねるという主観的な考え方です。

私もついやってしまうのですが、自我がある以上、誰にでも起こる考え方でもあります。

他人に自分を重ねる事の良くないところは、本来マイナスの感情を感じなくてもいいところで感じてしまうところです。

もともと、人はそれぞれ違います。個性があります。

ですが、自分の思考に近い人間には好意を持ちます。

その逆に、違う物に対しては嫌悪感を感じてしまいます。

同一化による感情の変化です。これ自体は誰でも持っていて悪いものではありません。

ですが、嫌悪感を感じるというのは相手をないがしろにしているのではないかと私は考えます。

自分とは違う場合は相手に自分を重ねる必要は無いのです。

相手の個性として捉えることが正しいものの見方だと思います。



2、「出来ない」、「解らない」を言う

人は明確な答えを急ごうとします。

それは答えがわからないということに不安を感じるからです。

自分の言動に対してもそうです。

現時点で考えが及ばないことに対して答えを出そうとします。

それが「出来ない」「解らない」という答えになります。

ですが、これで終わってしまうとそこで終わってしまい成長がありません。

答えを急ぐのではなく、まずは行動したり考えたりする事が大切だと思います。


3、 「絶対○○!」と言う

決め付けがあるとその後の考え方に偏りが出てしまいます。

そうではなかったときにどうしていいか分からなくなってしまいます。 

これも、主観で考え答えを急ぐという行為です。

例え高確率でそうであると思っても、それは主観にすぎないという前提を忘れてはいけません。

世の中は、多くの主観が合わさって出来ています。

自分がそう思うことが事実と決める事は周りを無視することとなってしまい、周りからは良く見えないものです。


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上記の3つは、誰しもやってしまいがちです。

私自身も気をつけていても、やってしまう事があります。

ですが、その考えが出てきた時は、一度立ち止まって考えるようにしています。

これらをやらないでいると、自分も考える能力がつき、周りには良い影響を与える事となります。

皆さんも上記のような言動をした時は、一度考えてみてください。

 
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プロフィール

佐屋鉄心

心理カウンセラーの佐屋鉄心です。
普段は某カウンセリングルームで認知行動療法の心理カウンセラーをしております。
様々な悩み解決のヒントとなれるような執筆活動をしています。