認知の歪みには「情緒的な理由付け」というものがあります。
その時の感情から、物事に対して理由付けをするというものです。
例えば、自分が情けなく悲壮感を持っていると、周りも自分のことを情けない奴と評価しているに違いないと考える思考です。
何か失敗をして注意をされた場合に、情緒的な理由付けをすると、上記のようになります。
本来は、相手がどのように評価しているかは分かりません。
注意をしただけで、情けない奴という評価はしていないかもしれません。
自分が自分に対して感じている感情を相手の現実にしてしまうということです。
また、他者に対しても起こる場合があり、妄想性嫉妬などは情緒的な理由付けといえます。
相手の浮気を心配して不安が強くなっていると、妄想が現実と感じてしまうことがあります。
「不安なのだから浮気をしているはずだ」という発想になり、事実ではなくとも相手を非難する場合もあります。
情緒的な理由付けも回避的思考です。
自己防衛のために、曖昧な現実を自分の感情で決め付けてしまいます。
そうすることによって考える手間が省け、心の落しどころを早く見つけることが出来ます。
ですが、この落し所が現実離れしていると色々な問題を抱えます。
必要以上に落ち込んだり、過度なストレスを溜めてしまうのです。
そのため、更に情緒的な理由付けがエスカレートし、悪循環を引き起こしてしまいます。
情緒的な理由付けをなくすためには、感情をひとまず横に置いて、現実に起こっていることを一つずつ上げていく事が大切です。
そして、それらが本当に現実なのかを検証しましょう。
その事実に基いて理由付けをすることが出来れば、感情自体も変わっていきます。
思考が感情に引きずられないように心がける事が大切です。