認知行動療法では、マイナスな感情が出るような事象に対して「反証」と言う作業を行います。
これは、マイナスな感情を薄める効果があります。

なぜそのような対処療法的なことを行うかというと、スキーマ(認知の歪み)を変化させていくためには感情と向き合う必要がありますが、その時のマイナスな感情というものは強い感情で、なかなか向き合うことが難しいことが多いからです。

そこでまずは、その感情やスキーマと向き合う前の前作業として、「反証」を行います。

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反証とは、「出来事に対して違う見方をしてみる」ということです。 

反証と言うと、自分を否定するようなイメージで受け取られる方もいらっしゃるのですが、自分の考えや感情を否定するということではありません。

自分が持っている考え方のほかに、いくつかの考え方や見かたをしてみるというイメージです。

例えば、テレビなどでよく見る、箱に手を入れて中になにがあるか当てるゲームで中にたわしが入っているとしましょう。反対側は中身が見えるようになっています。

実施者は箱の中身がわからず不安でいっぱいですが、視聴者は中身が たわしなので不安を感じません。

同じ事象に対して、見えてる角度が違うだけで感情がこんなにも変わります。

実施者が箱の反対側から見て、中身がたわしとわかれば、もう一度手を入れる時は不安がなくなります。

これと同じように、反証とは自分が見えていない角度から見た風景を想像し、不安を薄めるという事です。 

上記のゲームで言うと、実際に反対から見て確認する事だけではなく、反対から見ている人の反応からある程度箱の中身がわかります。

全員が笑っているようなら、危ないようなものではなく、自分の不安は見当違いということかもしれません。

全員がびっくりして悲鳴を上げているようなら、とんでもないものが箱の中にあるかもしれません。ですが、それも演技かもしれません。

このように、違う角度から推理をしたり予測をしてみることが反証です。

下記のサイトでは「コラム表」というツールで反証を行う見本を掲載しています。

コラム表

このように、「違う見かたをしてみる」という作業によって、感情が少しでも変化するという事を知ることが、認知行動療法の大切なところです。