心を軽くする方法~認知行動療法のblog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

2019年05月

自己否定を止めると自己肯定感が生まれる訳ではありません。

001自己否定が強く、何でも自分を責めてしまうという人がいます。
自己否定からその部分を正し、成長に繋げていける人はいいのですが、へんこんで終了っという人も少なくありません。
自己否定の良くない部分は「自分を傷つける」というところです。
自分が傷つくという事は、気持ちがマイナスになるきっかけになってしまいます。
そして、やる気がなくなり回避の選択をする。
更にそんな情けない自分を自己否定するという悪循環になってしまいます。
自己否定は度が過ぎると自分では止められない負のスパイラルを生んでしまいます。

自己否定に関して、自己否定を止めればいいという訳ではありません。
先ほども書いたように、自己否定から自分の成長を促す事もあるからです。
自己否定で悩んでいる方は、まず自己否定を止めようとします。
ですが、これがなかなかできることではありません。
なぜなら、自分の中に自分を否定する理由があるからです。
『自分はこうあるべきだ』
『こんな事もできないのはありえない』
『これでは他人に認められない』

というような、自己決め付けがあるはずです。
このような発想を持っていない人は、ありのままの自分がそのままの自分だと考えるようになるので自己否定をしません。
もちろん人それぞれ理想は持っています。
『理想通りではない自分は自分ではない』とは考えず『理想を成す為の今の自分』と捉える事が自己否定を止めるということです。

また、自己否定を止めると自己肯定感が生まれるというわけでもありません。
ありのままの自分を受け入れて、自己否定感がなくなっても、その自分は理想の自分という訳ではないからです。
理想の自分になれた時に、初めて自己肯定感が生まれてきます。
そのためには、行動や努力をして理想の自分に近づけていく事が大切です。

自己否定をただ止めるだけだったり、無理に自己肯定感を持とうとするのは自分の中で矛盾が生じてしまいます。
その矛盾がストレスになってしまう事もあります。
まずは、自己否定をする自分的な理由を考えてみる事が大切だと思います。

論点の明確化と矛盾の解消

元号改正から、皇族関連のニュースが多いですね。
ここ数日は小室さんの話題が多く、賛否両論を巻き起こしています。
色々な意見があって、ニュースやワイドショーでもコメンテーターによって意見が分かれる場面を良く見かけます。
ですが、ここでは少し違う角度でこの問題を見ていこうと思います。
それは、論点の明確化と矛盾の解消という点です。
この問題はいくつかの問題が絡み合っていますが、それぞれの意見で論点がずれているように思います。
まず、今後を応援したいという人は結婚というものがお互いのものであり、人がとやかく言うことではないという「結婚とは何か」を論点にしているのに対し、反対の人は「皇族が皇族らしくあるためには」という部分を論点にしています。
同じ問題に対しての論点ですが、論点が違う事によって意見の結果として矛盾している事になります。
結婚とは何かを問われれば、お互いが幸せになるためと考える人多いのではないでしょうか。
皇族とはを問われれば、国民の象徴でありお手本になることが望ましいと考える人が多いのではないでしょうか。
この二つのどちらに重きを置くかで論じているので、意見が割れるのだと思います。
本当はどちらかで論じればそこまで意見が分かれるものではありません。
ですが、そうも行かないのが矛盾ではないでしょうか。
また、どちらかが重要でどちらかが重要では無いという論点にすり替わっているようにも見えます。
「両方大事なんだけど、どうしようか」という事に意識が向かないと感情だけが一人歩きしてしまうと思います。



このような事は身近な問題でも沢山発生しています。
例えば自分の中でどうしたらいいか迷ってしまう時は、このような矛盾が自分の中で起こっているときです。
一つの点で考えると答えは決まっているのに、別の点も加味すると考えが崩れるというジレンマです。
このような時は論点を明確化して、それぞれの考えに折り合いをつけなければなりません。
単純にメリットとデメリットをそれぞれ足して、どちらがメリットが多いのかを算出するしか矛盾を解消する方法はありません。
そもそもこのような矛盾は完全な解決方法はありません。
解決方法が無いから矛盾ともいえます。
様々事に対して問題を細分化し、一つずつ向き合っていく事が大切です。
そして、その一つずつが矛盾する時もありますが、その折り合いをつける判断力こそが問題解決能力だと思います。
スルーしたり誤魔化したりで問題を解決したと考える人もいます。
力技で自分や他人を納得させる事によって問題を解決したと考える人もいます。
ですが、それで問題解決とするのは難しいと思います。
出来る限り納得のいく方法を取る事が本当の問題解決ではないでしょうか。

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プロフィール

佐屋鉄心

心理カウンセラーの佐屋鉄心です。
普段は某カウンセリングルームで認知行動療法の心理カウンセラーをしております。
様々な悩み解決のヒントとなれるような執筆活動をしています。