-【認知行動療法のコツ】何故?を繰り返す事

認知行動療法は自動思考とスキーマを適切なものに変えていくという方法を取ります。
どちらも無意識的な部分で、作業の中で発見をしていくものです。
この時、なかなか自分の自動思考とスキーマに気付けないことがあります。
深く考えていく作業が必要ですが、一人で認知行動療法を行う場合はこれが難しい場合もあります。
上手く認知行動療法行う為には「何故?」を繰り返すことが大切です。
例えば、仕事で失敗をしたという事象があるとしましょう。
感情→憂うつ
行動→やる気が出ないがフォローしようと作業に付いた。

このような状況です。
ここで陥りやすいのは「何故失敗したのだろう?」というところに注目するケースです。
もちろん失敗に対して反省をする事は必要ですが、悩みを持つ方は事象を極端に考えて、自分のせいにしたり誰かのせいにしようとします。
出来事の結果を考えても、その結果自体は変わりません。
認知行動療法でも結果の原因を追究するよりも、感情や行動の部分に着目します。
結果を変えるには過去に戻ってやり直すしかありませんが難しいことです。
それよりも今の感情を大切にします。
何故、憂うつになったのか?
この部分が大切です。

感情が出る時には自動思考が働いています。
憂うつに関しては、自動思考が『成功すると思っていたのに失敗した』と感じていたとしましょう。(他にも人によって違いはあります。)
成功すると思っていたのは何故でしょう?
自分では頑張ったと思っているからだとしましょう。
自分では頑張ったのに憂うつになったのは何故でしょう?
頑張れば成功する、自分は成功して当たり前と思っているとしましょう。
これがスキーマです。
このように自分が感じた感情がどのようなルールで導き出されているのかを考えるのが認知行動療法です。
そして、導き出す時に使うのが「それは何故?」という問いなのですが、ここの注目点が難しいものです。
「成功すると思ったのに失敗したのは何故でしょう?」
ならないようにしなければなりません。
これは、事象に対する考えを導くだけで、感情に注目が行っていません。
あくまでも「憂うつ」の部分に注目しなければなりません。
一人で考えていると注目点がずれてしまう事があります。
何故?を繰り返す時は、どこに注目するのかに気を配る必要があります。

認知行動療法は自分の考えのルーツを知り、それを変容させるために行います。
感情を置き去りにしないように気をつけましょう。