心を軽くする方法~認知行動療法のblog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

2016年05月

マイナスな感情が出るプロセスをひも解く

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認知行動療法で一番の効果は、悩みを解決に導く方法を習得できるというところです。

言い換えると、問題を解決する方程式を身につけることが認知行動療法の目的ともいえます。

そのために、マイナス感情を抱いた具体的な出来事に対して、そのプロセスを考えていくという作業を行います。

出来れば、最初は簡単な出来事から始めるのが良いでしょう。

例えば、 自慢話ばかりの友人がいたとしましょう。

あなたはその友人の自慢話にうんざりしながらも付き合って聞いています。

ですが気持ちはモヤモヤしています。

このシチュエーションで感情が抱かれるプロセスを考えて行きましょう。

感情はモヤモヤです。言い換えれば嫌悪感でしょうか。

では、 嫌悪感が出る理由はなんでしょうか?

自慢話しばかりだから、嫌悪感が出ています。

では、自慢話しを聞いてなぜ嫌悪感が出るのでしょう?

自慢話しは楽しい話ではないからですね。

では、なぜ自慢話しは楽しくないのでしょうか?

自分が蔑まされているように聞こえるから?

相手の認証欲求を押し付けられていて相槌を打つのが嘘をついているようで申し訳ないから?

自分はこんな話しをしないから?

色々考えられると思います。

このようにいくつかのパターンが考えられる時は一つ一つ自分に確認をしていきます。

消去法で決めていく事もいいでしょう。

そうすると、自分の認知がどのようなものなのかが分かってきます。 

この場合、「 自分が蔑まされているように聞こえるから」だったとすると、そこには無意識に相手と自分を比べるという認知のクセがあることがわかります。

では、その認知をどのように変えていけばを考えるというのが認知行動療法の最終段階になります。


自分の感情と向き合い、そのプロセスをひも解いていく事は重労働です。

一気に出来なくてもかまいません。時間がたって気が付くことや思いつくことが出てくる事もあります。

大切なのは「考える」ということです。

考えをめぐらせる時は何かに書きとめながらだと、後々で作業をしなおすことが出来ますので、書き留めるというクセもつけて行きたいですね。


認知行動療法で大事な事は、自分の感情と認知をしっかり理解することです。

そうすれば自ずと答えに行き着くことでしょう。 

マイナスな感情を薄める作業を行う

認知行動療法では、マイナスな感情が出るような事象に対して「反証」と言う作業を行います。
これは、マイナスな感情を薄める効果があります。

なぜそのような対処療法的なことを行うかというと、スキーマ(認知の歪み)を変化させていくためには感情と向き合う必要がありますが、その時のマイナスな感情というものは強い感情で、なかなか向き合うことが難しいことが多いからです。

そこでまずは、その感情やスキーマと向き合う前の前作業として、「反証」を行います。

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反証とは、「出来事に対して違う見方をしてみる」ということです。 

反証と言うと、自分を否定するようなイメージで受け取られる方もいらっしゃるのですが、自分の考えや感情を否定するということではありません。

自分が持っている考え方のほかに、いくつかの考え方や見かたをしてみるというイメージです。

例えば、テレビなどでよく見る、箱に手を入れて中になにがあるか当てるゲームで中にたわしが入っているとしましょう。反対側は中身が見えるようになっています。

実施者は箱の中身がわからず不安でいっぱいですが、視聴者は中身が たわしなので不安を感じません。

同じ事象に対して、見えてる角度が違うだけで感情がこんなにも変わります。

実施者が箱の反対側から見て、中身がたわしとわかれば、もう一度手を入れる時は不安がなくなります。

これと同じように、反証とは自分が見えていない角度から見た風景を想像し、不安を薄めるという事です。 

上記のゲームで言うと、実際に反対から見て確認する事だけではなく、反対から見ている人の反応からある程度箱の中身がわかります。

全員が笑っているようなら、危ないようなものではなく、自分の不安は見当違いということかもしれません。

全員がびっくりして悲鳴を上げているようなら、とんでもないものが箱の中にあるかもしれません。ですが、それも演技かもしれません。

このように、違う角度から推理をしたり予測をしてみることが反証です。

下記のサイトでは「コラム表」というツールで反証を行う見本を掲載しています。

コラム表

このように、「違う見かたをしてみる」という作業によって、感情が少しでも変化するという事を知ることが、認知行動療法の大切なところです。

 

否定は止めて肯定をしてみましょう。

先日、カウンセリングではないのですが、知り合いの愚痴を聞く機会がありました。

元々、昔から相談事を良くされるのですが、愚痴なんかも良く聞かされます(^o^;)

私は、人の愚痴を聞くのを嫌だと感じたことが無いので全く問題はないのですが、誰でもどこでも何でも、大体同じ原因があって、全部聞いた後に一言だけ言っている言葉があります。


「相手に肯定感も持つと自分が楽になるよ」


これを言う理由は、愚痴のほとんどが「相手に否定感を持っている」というのが原因だからです。

そして、その否定感は「自分とは違う悪しきもの」というレッテルを貼ることによって生まれます。

これは、自我を守るために行われることなんですが、傍から見ているとどうしても生産性が無いように見えてしまいます。

もちろん、否定感を持つ気持ちは重々わかるんです。

どうしても感情が勝手に一人歩きしてしまうものです。



別にその人と仲良くなる必要はありません。

馬が合わないと言う事は仕方の無いことです。

人それぞれ自我があって、それぞれ違うのですから。

ですが、自分の見方や捉え方で自分の感情がマイナスになっているのは損をしています。

自分とは違うものを否定する → 悪しきものとしてレッテルを貼る → その人自体に対して否定的になる → 気分が悪い

これを

自分とは違うものを肯定してみる → 悪しきものではないというレッテルを貼る → その人自体に対して肯定的な理由が出来る → そんなに悪い気分ではない

に変えるだけで自分の感情が助かっています。

自分の感情を傷つける人や、自分が納得できない人はいます。

ですが、そんな人達にもそうなった理由があります。

ただ嫌だということにはせず、好きになる努力をすることが自分にとって一番良い方法ではないでしょうか。

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プロフィール

佐屋鉄心

心理カウンセラーの佐屋鉄心です。
普段は某カウンセリングルームで認知行動療法の心理カウンセラーをしております。
様々な悩み解決のヒントとなれるような執筆活動をしています。