心を軽くする方法~認知行動療法のblog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

2015年09月

自分のルールは判断を早くするために存在する

人は自分の中にルールや信念を持っています。

心理学では「中核信念」とも言います。

その人の性格や行動などを決める根本的な部分で、様々な経験から得られるものです。

自分のルールが存在するのは物事に対しての判断を早くするために無意識的に身に付いていきます。

例えば、火に触るとヤケドをします。

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火に近づくことによりそれが危険なものだと知ります。

そして、火を扱う時は気をつけようという自分ルールが出来ます。

これは実体験を元にしていて、しかも一般的に同じルールをみんな持っています。

ヤケドをしたい人はそうそういませんからね。

そして、このルールを無意識的に考えることなく実行しています。

これが自分ルールが生まれる一例です。

ですが、実体験をせずに身に着くルールもあります。

例えば、交差点で信号を守らないでいると事故に遭います。

それを何度か行うと、信号を守らないと事故に遭うので信号を守ろうという自分のルールが出来ます。

ですが、 ほとんどの方は事故に遭うことなく、信号は守るべきと教えられます。

人から教わって危険をおかさずに自分のルールを得ているのです。

実は世の中にはこのような、自己体験をせずに自分のルールを持っているというケースも多々あります。

それが、自分を縛ってしまう事になり悩みの原因にもなることがあるので注意が必要です。

「自分はダメな人間だ」「人は正直であるべき」「男性は強くあるべき」「女性は優しくかるべき」

このようなルールを持っている方もいます。

ですが、このルールが偏ると様々な弊害が生まれる事もあります。

弊害を生まないためには、自分のルールが何のために存在して、その理由がどういうものかを考える事も大事なことです。

このようなルールは、その時々で反射的に出現します。

ルールに従ったほうが判断が早くなるためです。

人は日々、沢山の判断をしています。全部を深く考えている暇はありません。

なので自分ルールに従います。

ですが、本当は今身に着いている自分ルールは必要のないものや間違っている事もあるかもしれません。 

時々は自分ルールに関して深く考える事も必要になるでしょう。
 

後悔ではなく反省をする

a1480_000040何かを失敗した時は、後悔をするものです。

タラレバを考える事は悪い事ではありませんが、失敗をしたときの自分を責めてしまうのは良くないことです。

自分を傷つけるだけです。

悩みを抱える人は、とかく自分を傷つけて終わってしまう方が多くいらっしゃいます。

この方々は自分にダメ出しをしているだけで終わってしまっています。

これでは、自分を傷つけるだけで将来性が生まれません。

後悔だけでなく、反省をして未来につなげるには、ダメ出しの原因をひも解く事が必要だと思います。

では、なぜダメ出しをしてしまうのでしょうか?

自分にダメ出しをするということは、失敗した自分に厳しくしなければならないという癖がついている傾向にあります。

なぜそのようなクセがつくかというと、自分を守るためです。

自分へのダメ出しに似た現象で、他者批判というものがあります。

他人を批判する事で、自分の価値を高く感じたいという行動です。

自分へのダメ出しはこれに近いものです。

自分がダメだという事実を受け止められず、自分を批判する事によって、「批判している自分」が価値があると無意識に感じます。

ひとまず批判している自分がいるから自分を保っていられるのです。

ですが、ダメな自分も自分です。これでは、片方は救われますが、ダメな自分の方は傷ついたままになってしまい、結果的にはつらい感情が残る事になります。

そして、批判している自分は安全なので、ダメな自分をほったらかしにしてしまいます。

これでは、いつまでたってもダメな自分は変わりません。


では、後悔ではなく反省をするにはどうしたらよいでしょうか。

まずは、ダメな自分を正確に受け止めるということが必要です。

大切なのは、正確にという部分です。

例えば、100点満点のテストで20点を取ったとしましょう。

その時どんな考えが浮かぶでしょうか。

「自分は悪い点数を取ってしまった。自分はダメだ」と考える人が多いのではないでしょうか。

ですが、このテストが難しいもので、平均点が10点だったとしたらどうでしょう。

20点でも安心するのではないでしょうか。

正確に自分を評価するためには、まずそのテストの平均点が何点なのかを知る必要があります。

「自分は悪い点数を取ってしまった。自分はダメだ」と反射的に考える前に、「平均点が何点なのか?」という疑問が先に出るように考え方を変えてみるのです。

まずはこれにより正確な自分への評価を得られます。

そしてその評価を、どのように変えていくかを考えます。

これが反省です。

たとえ平均以下の点数でも、それを受け入れて次につなげていくことが大切です。

ダメな自分を放置して自分を守っても何も始まらないと気付くと、この反省をすることができるようになります。

ダメな自分も自分なのです。そして、ダメな自分が価値が無いとは限りません。

価値ある自分にするかどうかは、自分次第ではないでしょうか。



 
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プロフィール

佐屋鉄心

心理カウンセラーの佐屋鉄心です。
普段は某カウンセリングルームで認知行動療法の心理カウンセラーをしております。
様々な悩み解決のヒントとなれるような執筆活動をしています。