心を軽くする方法~認知行動療法のblog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

2015年06月

「~べき」思考の大切さ

「信号は守るべき」

「私は頑張り屋であるべき」

「あなたは私の子供なのだからこうあるべき」


このように自分ルールを設けて忠実に守る思考のことを「べき思考」と言います。

ほとんどの悩みの原因には認知の歪みというものがあって、べき思考はそのうちの一つです。

皆さんも一つくらいは持っているのではないでしょうか。

もし、そのべき思考が悩みの原因になっているのなら改善をはかりたいものです。


カウンセリングの中では、認知の歪みに着目して、その修正を行います。

ですが、認知の歪みが全て悪いという訳ではありません。

私も、クライアントに上手く説明が伝わらない事もありました。

べき思考っといってしまうと、それ自体が悪い事のように感じてしまわれるそうです。

確かに、極端に考えると「悩みの原因=悪いもの」になってしまうのは考え方としては間違っていないのかもしれません。

ですが、このべき思考は悪いところばかりではありません。

例えば、がむしゃらに頑張って目標を達成するような方は、べき思考を持っていることがほとんどです。

「私は目標を達成するべき」

「私は強くあるべき」

「周りは私を賞賛するべき」

この強い思いがあってこそ目標を達成する源になっていることが多くあるからです。

問題なのは、べき=過度のストレスになってしまう時です。

この時はべき思考を見直すことが必要でしょう。


ちなみに、べき思考を修正するプロセスは、

1、自分が何に対してべき思考をしているかを知り、その思考になった原因を考える。

 →自分がべき思考をしていると気が付いたら、その思考が身に着いた原因を考えます。
  大抵は育った環境でそうせざるを得なかったのが原因です。
  その原因の見方を変えることによってべき思考が本当に自分に必要なことなのかがわかります。

2、自分のべき思考が一般的にどのようなものなのかを考える。

 →あまりにも常識はずれなべき思考は過度のストレスになりやすいものです。
  あまりにも常軌を逸した強いべき思考は捨てる必要があるかもしれません。

3、「べき」を「かもしれない」に変えていく。

 →ここが一番大切な部分です。
  「べき」→「べきではない」にしてしまうと今度は「べきではない」がべき思考になって行きます。
  それでは、逆になっただけで意味がありません。
  「かもしれない」という中間を取るようにします。

  そうすると「べき」をよく考える事ができ、 本当に自分に必要な方向性が見えてきます。
  もちろん中間を取るという事は迷いや不安を生みます。
  ですがそれを乗り越えてこそ、満足感が得られるのではないでしょうか。


以上がべき思考を修正するプロセスです。

「べき」自体も大切な思考である事も意識すると、修正の近道になるでしょう。

 「べき思考を直すべき」にならないようにすることが大切です。

電車が遅延した時の感情

皆さんは、何かのせいで用事に遅刻した時にどのように感じるでしょうか。

イライラする

何も感じない

相手に申し訳ない気持ちでいっぱいになる

色々な方がいらっしゃると思います。


今日は用事があったので出かけたのですが、電車がノロノロ運転で遅刻をしてしまいました。

「お客様の救助を行ったためダイヤの調整中」っというアナウンスでした。

正直、私はイライラするタイプです(´▽`;)。

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自分の邪魔をされた時の反応としてイライラする事はよくあることです。

ですが、イライラしても得をする事はありません。

なので、私はそういうときに心理的対処を行います。

①、相手の感情を考えてみる。

電車が遅れる原因になった人は、申し訳ないと思って自分を責めているかもしれません。

具合が悪くなって他人に迷惑をかける事は、そこまで悪い事でしょうか。

自分も体調が急に悪くなってそれが電車の中だったら遅延をさせてしまうかもしれません。その時は、申し訳ない気持ちになります。

②、遅刻するという現実への対処を迅速に行う。

遅刻をしそうならすぐにでも連絡をして、自分がやなことを先に片付けます。

これは、いつまでもイライラしているのは誰も得をしないからです。

迅速に連絡をすることによって、相手の不安を取ることと、それを成したという自分への自信にします。

③、そもそもなぜイライラするのかを考える

イライラというのは、「自分では変えられないことに対しての不満」からきます。

電車が遅れるということは変えられないことです。

それによって自分が損をするということでイライラします。

では、何変えればいいのかというと、自分の損に対する認知と行動を変えてやればいいのです。

遅れる事によって相手に申し訳ないと思う → 早く謝って理解をしてもらうように努める

遅延を巻き起こした人の神経が信じられない → 大事な仕事があって具合が悪い中頑張って出かけたという頑張り屋だったかもしれない。そう考え、遅延をさせたことよりその頑張りに敬意を持つようにする。

時間の損 → 損以上に得なことが無いかを探す。いつもよりゆっくり窓の外を見て、知らなかった店を見つけてみるなど時間の有効な使い方を考える。

っという感じで、私は心理的対処を行っています。

怒りや不安は出来るだけないほうが、自分にとっても周りにとっても幸せなことです。

そこを自分で改善していく事は大切なことだと思います。 

 

恋愛における対人依存

恋愛依存に関してです。

恋愛依存にも色々なケースがありますが、ここでは対人依存に関して書こうと思います。

まず、恋愛依存には恋愛自体に依存する人と、相手に対して依存する人がいます。

相手に対して依存していると、その人のために大いに尽す行為を行ったり、側にいるために必死になります。

なぜそのような事をするかというと、相手を失う事に強い不安をおぼえるからです。

ではなぜその不安が沸き起こるのでしょうか?

対人依存の方は一緒にいるときは幸福感を味わう事ができ、それに対して感謝やお礼もこめて自発的に相手のための行動をとります。

最初はそのような動機があるのですが、それがいつしか相手をつなぎとめるための行為に変わっていきます。

変わるプロセスとしては、一緒にいないときの負の感情が徐々に強くなるために、一緒にいるときの幸福感を負の感情が超えていくという流れです。

こうなると、一緒にいるときはつなぎとめることに必死で、一緒にいないときは怒りすら覚えるようになってきます。

どうしようもない感情は怒りに変わるからです。

これでは、恋愛しているだけで疲れてしまいます。




では、どこをどのようにすればいいのでしょうか。

ほとんどの方は、一緒にいるときの行動を変えたり、一緒にいないときの心理的対処を考えると思います。

もちろんそれも効果的で重要です。

ですが、私はもっと大切な事が隠れていると思います。

それは、「そもそも、一緒にいないときの不安があることが問題」という点です。

人は個として存在しています。社会的に考えれば他者の協力は必要です。

ですが、普通の生活をするケースで、誰かがいなければダメという事はほとんどないのです。

家でテレビを見るのに誰かが一緒でなければならないということはありません。

ショッピングに行くのに誰かが一緒でなければならないということはありません。

映画を見に行くのに誰かが一緒でなければならないということはありません。

では、なぜ対人依存をする方は相手が必要なのでしょうか。

それは、自分を認知するための尺度としての相手を求めているからではないでしょうか。

他者の評価で自分をはかっている人は、相手がいないと不安になります。

相手がいて初めて自分の存在を評価できるからです。

ですが、本来は自分の存在はそこにあるもので自分が自分を信じていれば不安に思う事はありません。

これが自信というものです。

自信が無い方はそのように自分を計る方法に偏りがあります。

他者評価を優先してしまうのです。

恋愛でもそれがあると、依存になって行きます。


誰かの存在が、自分の足りない部分を埋める役割だけになっているというのはお互いにつらい部分が多く出てくるものです。



では、そのような方はどうすればいいでしょうか?

方法としては、自分を計る方法を見直す事で自信を持てれば、相手に依存する事はなくなっていきます。

具体的には、自分の評価をまずします。

このときに他人に対しての評価をするときのようにすることです。

良い所、悪い所を客観的に評価するのです。

そして、他者の評価を素直に受け取るようにするのです。

ネガティブな評価は受け入れがたいときもあります。

ですが、そこも踏まえて自分なんだと考え、良い悪いの評価をします。

その時に、出来るだけ多くの人の評価を知ることが大切です。

例えば、1から10の評価をする人が10人いたとしましょう。

平均があなたの評価だとすると5.5があなたの評価になります。

このとき、低い評価の人達だけに聞くとその評価は正しくないということになります。

多くの評価を知ることによって平均(正しい)評価に近づいていきます。

なかなかそんなこと聞けないよという方も多いでしょうが、そこはコツコツとコミュニケーションをとるほかないと思います。

多くの現実的なデータは自分を裏付けてくれます。

それが自信となるのです。

まずは、自分の評価をするときの偏った捉え方を直すことが必要です。

それが出来れば、自分の評価をするために相手が必要ということがなくなるので、必要以上に不安が生まれる事はなくなります




 

老老介護についての話

先日、老老介護に関してのテレビ番組を見る機会がありました。

内容は、

東日本大震災によって家をなくした老夫婦。

避難生活を余儀なくする事になり、市が借り上げた一戸建てで生活を送っていました。

そんな折、奥さんが家の中で転倒し腰を痛め入院をすることに。

震災で息子さんも亡くしており、うつ病の症状もあったそうです。

自力での寝起きも間々ならない状態で介護が必要な状態でした。

ご主人は施設への入居を考えましたが、受け入れ口が無い状態だそうです。

施設はあっても、介護士が足りず受け入れられない状態が震災後、続いているそうです。

そんな中、ご主人は意を決して平屋のバリアフリーで一軒家を建てることにしました。

奥さんの退院後、二人で暮らしていくためです。

ご主人が奥さんに『二人しかいないんだから頑張るしかない』と励ましているシーンが印象的でした 。


元々、高齢化社会を迎えている日本ではこのようなケースが増えていくことだと思います。

特に震災に遭われた方はその負担も大きくなっていると思います。

施設の増設や、人手の確保は必須だと思います。

何より私が気になったのは、高齢者のメンタルケアです。

心と身体は密接につながっています。

身体を壊せば心も弱ったり、心が弱れば身体に異常をきたす事もあります。

体の老いは誰にでも来るものです。

せめて、周りの人は心のケアをすることが大切だと思いました。



 『二人しかいないんだから頑張るしかない』と言う台詞… 私にはどこか切なく感じました。

自らを奮い立たせているかのように見えたんです。

奥さんもその姿を見て頑張ろうと言ってはいましたが、内心はすごくしんどいのだと感じました。

無理をして頑張らなければいけない状況を作ってはいけないと私は思いました。
 

心理学を知ると心が軽くなる

心理学を学ぶと間接的ではありますが、自分の心が軽くなります。

それはなぜかというと、心理学を知れば自分自身が成長し他者に対しても良好な行動をとることが出来るようになるからです。

例えば、人と上手くコミュニケーションがとれない人は、相手の考えやその心理を知ることが出来れば、上手くコミュニケーションを取れるようになります。

仕事が上手く行かない人は、心理学を利用して円滑な対人関係や仕事運びを出来るようになります。

これは、人は人と関わる事で満足感や幸福を感じることがほとんどだからです。

満足感や幸福感を感じることで心は豊かになります。


また、マイナスな心も心理学で対処することが出来ます。

例えば、彼氏の浮気が心配で心配で、毎日モヤモヤしている女性がいるとしましょう。

自分のモヤモヤがなぜ引き起こるのか?

相手のことがどのように心配なのか?

これらは、心理学を用いて考えていけば答えに行き着くところです。

その答えが分かれば、対処方法を考えられるようになります。

モヤモヤするのは、自分がどうしたらいいのかが分からないからモヤモヤするのです。

その状態で対処方法を考えても良い方法が思いつく事はありません。

その感情の原因を解明する事を先に行うことが大切なのです。

原因が分かれば対処もしやすくなります。

心理学はその人を成長させるものです。

多くの心理学を知ることで、自分自身の心を軽くしてあげましょう。
 
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プロフィール

佐屋鉄心

心理カウンセラーの佐屋鉄心です。
普段は某カウンセリングルームで認知行動療法の心理カウンセラーをしております。
様々な悩み解決のヒントとなれるような執筆活動をしています。