心を軽くする方法~認知行動療法のblog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

今日の一言
「自分へのダメ出しは程々に」

相手の考え方が間違っていると思うこと

「その考えは間違っている」といいたくなる時ってありますよね。
でも、それは相手を否定していることであり、時には相手を傷つける事もあります。
本来は相手を傷つけたくないという思考がはたらいて、思っていても言わないという人も多いでしょう。
ですが、親密な関係の人にはどうしても言ってしまうという事もあると思います。
では、この事象を少し掘り下げて考えてみましょう。

com-shared-img-thumb-IMARIC20160805312216

 相手の考えが間違っているという事は、自分の考えが正しいと思っているということです。
自分の考えが一般論で多数派の考えでそうなる場合もありますが、それもその人の中で正しいと思われている物です。
そして、相手に対して間違っていると感じ、それを相手に言うという事は、自分にとって何らかのデメリットがある場合です。
実質的なリスクがある場合もありますが、間接的に「相手の考えが自分とは違い、自分の考えが否定されているように感じる」というケースもあります。
この場合は、感情が傷つくというデメリットがあります。
それによって、相手の考えを正そうとしたり否定したりしてしまいます。
では、何故相手の考えが自分と違うと否定感を覚えてしまうのでしょうか。
否定感の根源には承認欲求が満たされず傷つく感情があります。
承認欲求は相手に認められ受け入れられたいと思うことです。
相手と考えが違うという事は承認欲求にそぐわないという事ですので、自分の考えが正しいという主張をして、認めさせようとします。 
本来、相手と違う事は否定をされている訳ではありません。
ですが、自尊心が低かったり、圧力的に言われた時は否定感を感じてしまいます。
その承認欲求を満たさない否定感で自分が傷つき、そのマイナスな感情を相手に返そうとします。
これが相手の考えが自分と違う時に起こる感情の流れです。

ここで大切なのは、「相手の考えが自分と違うというのは自分の考えを否定している訳ではない」ということに気が付く事です。
100人いれば100通りの考え方があります。
一般論的に多数派だとしても、誰にとっても正しい考えというものはありません。

それぞれがその人の中で正しい考え方です。 
誰もそれを否定する事はできません。
だから、そもそも相手と違うということで自分が傷つく必要はないんです。
「そういう考え方もあるんだなぁ」と受け取り、必要ならば自分の考えも伝えるというのが良い方法だと思います。
伝える時も、否定的に聞こえないように「自分はこういう考えなんだけど君のような考え方もあるんだなぁ」などのように押し付けにならないようにしましょう。
自分の考えを相手がどう感じ、どう変わるかは相手次第です。
自分の考えが自分にとって正しい考えで、相手にとっては違うのかもしれないという定義を忘れてはいけません。
それと自分の考えに自信と柔軟性を持つ事も大切です。
考え抜いて自分が納得できる理由があり、他の考え方に触れたときに変えていく事もできる考え方を身につけましょう。
考え抜けば自分の考えに自信がもてますし、柔軟性があればそれは自分にとって成長ということでもあるからです。

相手の考えを間違っていると言う前に、もう一度相手の考えと自分の考えを評価しなおしてみましょう。
また違う一面が現れてお互いにいい考えに行き着くかもしれません。

情動と感情

情動と感情は似ているようで違うものと扱われる事がほとんどです。
分野によって解釈や意味は違いますが、情動は「表層的な身体の変化を伴なうような強いもの」で、感情は「喜怒哀楽のような理性に対してのもの」というものが多い解釈です。
また、感情の一部が情動であるという考え方もあります。
簡単に言うと、情動は本能的に感じるもので無意識的、感情は思考を伴なって感じる意識的なものと私は考えています。
これらを踏まえて、普段起こっている快・不快に関して考えてみましょう。

com-shared-img-thumb-TAKEBE_ohnoyacchimattta - コピー

 例えば、「高いところに行くと足がすくむ」というのは情動が不快を感じることによって、身体的な反応を伴なっています。
その後、「高いところは怖いので早く降りたい」という感情が出ます。 
また、 「昨日、上司に怒られたので今日は仕事に行きたくないなぁ」と感じるのは、「また何か言われたら嫌だな」「上司に申し訳なくて顔を見たくないな」「怒られて恥ずかしい姿を晒したので行きずらい」などの認知と思考を解して感じている感情です。
ですが、「上司に怒られた時に赤面し怒りを感じた」というのは、情動がおこした事象です。

ここで、なにが言いたいのかというと、情動がおこしたものは変えにくいが、感情がおこした事象は認知の違いで変わるということです。
高いところに行って足がすくむのは、そう簡単には変えられません。
理性が届かない部分だからです。ですが、何度も高いところに行っているうちに足がすくまなくなる事はあります。脳が慣れるからです。
一方、感情の方はいったん認知と思考を挟んでいます。
上司に怒られた瞬間の怒りはすぐに変えられないかもしれませんが、次の日の仕事に行きたくない感情は変えられます。
上司や同僚はなにも気にしていないかもしれません。
自分の不安予測から想像した未来に感情が捉われているだけです。
違う見方をしてみると、いきたくないという感情はその場で変える事が出来ます。

皆さんは、自分の気持ちがどっちの原因で起こっているのかを考えてみてください。
意外と感情側のもので、認知を変える事によって改善できるかもしれません。 

合理的な考えをプラスする

com-shared-img-thumb-ELFADSC05625

認知行動療法を自分でするときに気をつけたいことがあります。
認知行動療法では認知の歪みを修正する作業を行います。
他記事:認知の歪みとは 
その時に、自分の認知を感情が納得しないものに変えてしまうことがあります。
これでは、認知を変えてもまた違う問題が発生してしまいます。
例えば、多くの人の前で上手にしゃべることが出来ないという悩みがあるとしましょう。
失敗したらどうしようという自動思考から感情が不安になっている場合だとします。
ここで、自動思考を「嫌われても良い」と言う風に変えてしまうと、実は感情が納得できないまま我慢することになってしまいます。
スキーマが本当は嫌われたくないと思っているからです。
感情を頭ごなしに押さえつけているような状態です。
この場合は、「失敗するかもしれないが成功するかもしれない 」などの自動思考にするほうが感情は納得します。
極端に反対の自動思考にする事は自分が納得行かないものになります。
そこで、自動思考の変化には、合理的な考え方や捉え方をプラスすることが大切です。
感情を無視して元々持っているものを消してしまったり逆転してしまっていてはいつまでも苦しいばかりです。
元々持っているベースは変える事はないんです。
ベースに他のものをプラスするというスタンスが自分の感情もスキーマも傷つけない方法です。

認知行動療法が一人で行うのが難しいと感じている方はここに注意して実施してみると良いでしょう。 

ちょっとの優越感は心の栄養

ネガティブ思考で落ち込み気味な方は自分のことをどう思っているでしょう。
「自分はダメだ」
「人より出来ない」
などの、現実的な自己評価を行っています。
その評価が更に落ち込みを生むという悪循環になりがちです。
逆に、精神的に健康な人は、自分を平均以上であると思う傾向にあります。
「優越の錯覚」といって、心理学的に自分が優れていると考え優越感を感じるという現象で、健康な脳の状態だと少なからず起こるものです。
ですが、落ち込みが強い人は、このような人を見ると嫌悪を感じるかもしれません。
「自惚れ」のように感じてしまうからです。

このような研究発表があります。
山田 真希子氏(放射線医学総合研究所 分子イメージング研究センター 分子神経イメージング研究プログラム 脳病態チーム 主任研究員)の研究によると、
優越の錯覚が大きい場合と小さい場合を比べたときに小さい場合は抑うつ状態が強く出る」
という発表をしています。

480841613a5e7e9958ddab300f4ed25e_s

実験内容としては、

1、自分がどのくらい平均より優れているか劣っているかを答えてもらう 
2、 抑うつ状態の程度を調べる
→この2つの結果、「抑うつが弱い人ほど優越の錯覚が強い」結果となりました 
3、脳の線条体と呼ばれる部分のドーパミンD2受容体密度を計測
4、安静にしている時の脳活動データを計測し、線条体と機能的に結合を持つネットワークを探し出し、その上で、機能的結合の強さと線条体のドーパミンD2受容体密度との相関関係について解析
→ドーパミンD2受容体密度が低いと前部帯状回と線条体の機能的結合が弱いという結果がでた
5、前部帯状回と線条体の機能的結合の強さと、優越の錯覚の相関関係を解析
→機能的結合の強さが弱いと優越の錯覚が強いという結果がでた

というものです(割愛しながらの文章になります)。

要するに、
ドーパミンD2受容体密度が低い

前部帯状回と線条体の機能的結合が弱い

優越の錯覚が強い

抑うつが弱い
となります。

これは、優越の錯覚が心の健康に役立っているという理論で生物学的な脳内の仕組みを明らかにしたものです。

私の考えですが、脳の活動部分は個人で変える事は難しいですが、優越の錯覚の部分は考え方一つで変えられると思います。
自分が今思っている自己評価より、もっと出来ているのではないかと考える事はできるからです。
自惚れや過大評価を毛嫌いせず、自分もちょっと出来るんじゃないかと思ってみるのも良いことだと思います。

 

マイナスイメージとプラスイメージの両方を考える

ネガティブ思考の方は、悪い想像が頭から離れないという事はよくあることです。

何かのきっかけでマイナスのイメージをしたときに、それの心理的対処が出来ないでいると、いつまでも感情が捉われてしまうという現象です。

これは、自分に対して様々な制約となり、本来上手く行く事でも上手く行かなくなる事もあります。

更に、それを繰り返していると、成功体験が得られずまた失敗するイメージばかりになってしまい、負の連鎖が生まれます。

どんどんプラスイメージが出来なくなっていくのです。

では、マイナスのイメージに捉われている時はどうしたらよいでしょうか。

151026M_032r

まずは、客観的に自分の状況を整理しましょう。

これは、マイナスのイメージと今の自分を切り離す作業です。

ネガティブ思考の方は、未来のマイナスイメージを「今」のように感じている場合がほとんどです。

今感じているかのようになっているので、感情が強く出ます。その感情が更にマイナスイメージになっているのです。

ですから、まずは未来と今を整理するために今の状況を細かく把握する事が大切です。

次に今の状況を元にプラスのイメージをしてみます。

ここで大事なのが、プラスのイメージは必ずあると前提を自分に設けることです。

「絶対に上手く行くわけない!」とは考えないで下さい。

逆に「絶対に何か方法はある!」と考えてください。

この思考をするだけでも、マイナスに捉われていた感情が少し開放されます。

また、パターンを表にしてみると分かりやすいかもしれません。

喜び度イメージと成功可否
1位 マイナスイメージで成功
2位 プラスイメージで成功
3位 マイナスイメージで失敗
4位 プラスイメージで失敗

トータルするとマイナスイメージの方が順位が上です。

マイナスのイメージだけをして、その通りになった時は喪失感は少ないものです。

プラスのイメージをして失敗した場合は、喪失感が大きくなります。

実は自然と喪失感の少ないマイナスイメージを選択してしまう人もいます。

ですが、上記の場合どちらも失敗です。また、マイナスイメージで成功すれば良いですが、マイナスイメージをしているようでは成功への道は開けないでしょう。

大切なのは、プラスのイメージを実現させようとすることではないでしょうか。 
サイト内
リンク
自分で出来る認知行動療法

エゴグラム性格診断

うつ病の認知行動療法マニュアル患者用(PDF)

にほんブログ村 健康ブログ 認知行動療法へ
にほんブログ村

にほんブログ村 メンタルヘルスブログへ
にほんブログ村

プロフィール

さやてつ