心を軽くする方法~認知行動療法のblog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

今日の一言
「自分へのダメ出しは程々に」

回避癖を治す方法

つい回避癖が出てしまう人は多いと思います。
私も出来れば回避したいなーと思う事は沢山あります。
ですが、回避ばかりもしていられないので、そうならないための思考をいつもするようにしています。
今日は回避癖を治すために、そもそも回避とはどのようなものなのかを考えてみましょう。


例えば
「大学受験を控えて、勉強をしなければならないのに、なんだかんだと理由をつけてやらない」
という状況があったとしましょう。
これを目的別に双方で考えて見ます。

勉強をする目的→いい大学に入りたい

勉強をしない目的→ 辛い思いをしたくない

一連の行動には2つの目的があります。
見ての通り矛盾した目的ではありますがそれが一人の中に存在しています。
これを解決するにはどのようにすれば良いでしょうか。

まず大事なのは、リスクを払わなければメリットは得られないという本質を理解しておきましょう。
楽をして楽しい人生を得る事は稀です。
つらい思いをして初めて自分が手に入れたいものが手に入ります。
それぞれの目的は同時にはかなわないという事です。
そこで、どちらをとるかという話になります。
回避という観点では、辛い思いをしたくないというのが回避になるのでしょうが、回避癖が良くないという事はありません。辛い思いをしたくないという選択をしても良いんです。
その選択の方が人生としての幸せを堪能できるかも知れません。
その辺は人それぞれの認知によるものだと思います。
回避癖を治したいと思っている人の問題は、「いい大学に入りたい」と言う目的を諦めないという事です。どちらも手に入れたいと思っていることが問題なんです。
実は回避癖が問題ではないんです。
どちらかを選ぶという選択をすることで、回避癖で苦しむ事はなくなります。
個人的には進歩的な選択(いい大学に入るために辛い思いをする)というほうがいいと思いますが、人それぞれだとも思います。

回避癖を治す方法

選択するという事は不安が付きまといます。
先のことに影響するものはわからないことなので不安が必ず付いてきます。
ですが、どちらか選ばなければいけないという事は事実です。
良く考えて決めるということが回避癖を治す一つの方法です。




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自分で出来る認知行動療法

心の知能指数

皆様は「心の知能指数」というものをご存知でしょうか。
心の知能指数とは、Emotional Intelligence Quotientの訳でEQと略されます。
よく見かけるIQというのが頭脳の指数であるなら、EQは心の指数といったところでしょうか。
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思いやりがある、空気を読める、判断力があるなどの力がEQに当たります。
生活をしていく上で大切であり、人生をより良くしていくために必要な能力です。
EQはIQよりも大切だという専門かもいます。
頭が良いだけでは社会的に順応する事は難しいですからね。

また、EQは後天的に成長させられるとも言われています。
様々な経験から相手の気持ちを考えることだったり、知識から得られるEQもあります。
特に対人関係では、経験値が大きく左右します。
やったことが無いことを上手くやるのは難しいですが、幾度と無くこなしてきた事は達成する確率は上がるものです。
EQの成長にはなにが必要なのかを少し考えてみましょう。
その前に、EQを計るチェックシートをやって見ましょう。
EQチェック

自分の能力を知るという事は成長の第一歩です。


では、EQを成長させるためにはなにをすれば良いでしょうか。
私は大きく3つの大切な事があると思います。
まずは、

洞察する事
これは、物事を様々な視点で観察するという事です。
ただ眺めているだけではダメです。
主観で見て、客観的に見て、自分が想像も出来ない視点が無いかを考えて物事をみることが大切です。
これによって、1つの事実が人によって違う事実になっている可能性を垣間見ることが出来ます。
そうすることによって後の判断や行動が周囲を考えたものになりますので、最良となる可能性が上がります。

次に
熟考する事
これも、様々な視点で考える事が大切です。
自分の感情で考えるのではなく、周囲の感情になったつもりで考える事で、これも周囲を考えた結果となります。

最後に
自分を信じる事
これは、洞察と熟考を行動に移すために必要です。
せっかく良く見て良く考えても行動に移す、また結果を出す事が無ければ意味がありません。
ですが人には不安というものがいつも付きまといます。
その不安を払拭するぐらいに自分を信じなければなりません。
自分が精一杯考えたのならそれを信じてあげることが大切です。



これらを繰り返していけばEQは自ずと上がります。
心の成長ともいえますね。
経験と知識を使うためにもEQを成長させる事は大切です。
皆さんも一度自分のEQと向き合ってみてはいかがでしょうか。



これは、洞察と熟考を行動に移すために必要です。
せっかく観察をしてせっかく観察をして

機能不全家族とは?

機能不全家族という言葉があります。
育った家庭が一般的に考えて家族としての機能を果たせていない家族の事を言います。
機能不全家族で成長した場合、精神的・性格的に歪みが生じ、生き辛さを抱えやすいという問題が起こります。

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具体的に機能不全家族とは、
  1. 愛情が無い、又は希薄
  2. 育児放棄
  3. 親の不在(親の役割を果たす人の不在)
  4. 暴言、虐待、いじめが有る
  5. 過保護・過干渉
  6. 常軌からずれた仕来りやルールなどがある
等があります。
特に、虐待が有る家庭では、心に大きな傷となり大人になっても精神的な歪みになる事が多くあります。

家族というのは子供にとって見れば選ぶ事の出来ないものです。
また、家族というセーフティエリアであるものが、ストレスになってしまうという事は子供にとって辛い事です。
子供とは無償で安全を確保されるべき立場です。
それが行われない子供は、心理的に不安定になってしまいます。
いつもオドオドしたり、過剰に従順だったりと小さな力で自分を守ろうとするのですが、それが大人になってもそのまま残ってしまうと、自分で生きていかなければならなくなった時に障害となります。
機能不全家族で育った事は、今更変える事はできません。
ですが、今の自分を変える事はできますので、前向きに自分と向き合って欲しいと私は思います。

また、機能不全家族で育った事を本人が理解できていないというケースがよく見られます。
これは、機能不全家族であってもそれが普通と思って育っていると、自分の家庭が正しいという基準になってしまいます。
むしろ、うちとは違う家庭は以上だ!と思ってしまう事もあります。
もちろん、それが悪い事ではありません。
価値観といってしまえばそこまでのことです。
それぞれの家庭の事情があるので自分の家が基準となるのは致し方ないことです。
但し、自分の悩みが機能不全家族が原因だという事実を受け入れたくないが為の回避で、自分の家が基準になっている人は、他者との間に問題が起こるでしょう。
かたくなに自分が正しいという事を言うのは、今の自分の可能性を放棄してしまうようなものです。
様々な家庭があって、それぞれに良いところも悪い所もあるのだという事実を受け入れることが大切です。


自分の感情を把握する事の難しさ

認知行動療法を行うときには、自分の感情を把握する必要があります。
これが意外と難しいことで、なかなか自分で具現化できない事も多くあります。
出来事に対して自分の気持ちから出てきたものが「感情」ではなく「思考」になっている人が見受けられます。
例えば、「上司に怒られた」という時に、「上司が間違っている」「私は悪くない」と思うことが感情だと思っているケースがあります。
これは感情ではなく思考結果です。
上司に怒られた→上司が間違っている
ではなく
上司に怒られた→感情→上司が間違っている
となります。
認知行動療法で行う作業の中で、出来事に対して分析を行う方法があるのですが、この感情の部分がなかなか出てこないという方は多くいらっしゃいます。
これは、反射的に思考している方に多く、言葉にすることが難しいということもあります。
このために感情を日々書き出すという作業を前段階に行うのですが、そのような方は難しいと感じて止めてしまう事が多いのは否めないことなのかもしれません。
ですが、自分の感情を把握して、自動思考と感情の元になっている自認知の歪みを修正するには最初の感情を把握する事は必須です。
日々、自分が感じている感情を考えるクセをつけると、自分の中で起こっているプロセスをひも解くことが出来るようになっていきます。
まずは、頭の中でも良いので『今の自分はどんな感情なのだろう?』と問いかけるクセをつけることが大切です。

回避傾向とは考える事を止めてしまうということ。

自分が回避傾向な考え方をしていると悩んでいる人も多いと思います。
どうしても楽なほうへ流れてしまうという事は誰にでもあります。
ですが、回避ばかりでは幸せになる可能性を狭めてしまいます。
ここでは回避傾向を無くすには、どのようにすれば良いのかを考えていきます。

まず回避傾向がなぜ起こるのかを考えてみましょう。
回避傾向とは、自己防衛や苦痛回避のために行われます。
なので、良い回避というものも存在します。
それは、「よく考えて回避する事を決定した時」の回避は健全な回避です。
ですが、悩みの種になる回避とは少し違います。
「反射的にその場の苦痛や苦労を回避する」というものです。
これは、その時は良くても後で後悔するような事も起こります。
考えての判断ではないので、その時の自分の行動も責めてしまいます。
これが、悩みになる回避傾向です。

では、その回避傾向を修正するにはどうすれば良いでしょうか。
それは、「考える」ことです。
先にも書いたように、回避には良い回避と悪い回避があります。
良い回避は「よく考えて判断した」という前提があります。
もし、その回避が失敗に終わっても、考えて判断したのですからし方の無いことです。
その時のベストを尽したということです。
考えずに回避している場合は、何もしていないということなので、後悔が強くなります。
その時のベストを尽していないからですね。

回避傾向とは考える事をしていない、又は止めてしまった場合に悪い回避になってしまいます。
まずは考えて、分析することが大切です。
そして、最終的には「自分で決定する」ことが大切です。
考えるのを止めなければ答えは必ず出ます。
諦めずに考えてみましょう。

よく考え、決定をすることで物事への対処となります。
そして、考えて決定する能力は、それを繰り返すことによって培われます。
回避ばかりしていては、いつまでも回避せざるを得ないという事になります。
熟考をして、確率を把握する事が決定していくことの近道です。
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プロフィール

佐屋鉄心

心理カウンセラーの佐屋鉄心です。
普段は某カウンセリングルームで認知行動療法の心理カウンセラーをしております。
様々な悩み解決のヒントとなれるような執筆活動をしています。