心を軽くする方法~認知行動療法のblog

心理学で心を軽くする方法。心理学で心をひも解き、相手も自分も理解しあう事が出来る。【心理研究家】佐屋鉄心

今日の一言
「自分へのダメ出しは程々に」

仕事と認知

認知には自己認知と他者認知があります。
自己認知とは自分に対する認知です。
他者認知とは他人に対する認知です。
この二つは個人によって大きく異なります。

例えば、自分のことをこのように理解しているというものは他人から見た他者認知と一致しないことがあります。
また、ある人に対する自分が持っている他者認知が他の人の他者認知と一致するということも絶対とは言えません。
認知というものが個人の中にあるもので一般化されるものではないということは明白です。

仕事をする中でもこのような不一致は多く現れるのではないでしょうか。
特に仕事を選ぶ際は自分の性格がその仕事に合っているかを考えるのは難しいことではないでしょうか。
これは自己認知が他者から見た他者認知と不一致を起こしていると特に難しくなります。
まずは自分の性格を知ることによって自己認知を一致させることが大切です。

自分の性格を知るには様々な方法がありますが、チェックシート式の心理テストなどが簡単かと思います。
ネット上には様々な心理テストがありますので試してみるのがいいのではないでしょうか。
適職診断
16 Personalities 性格診断ガイド


また、日々の中でできるのは色々な人とコミュニケーションを取り相手が自分をどう思っているかを見ることも大切です。
これは先入観や先取りを行わないようにすることが大切です。
できれば直接考えを聞くことが簡単ですが、それが難しい場合もあると思います。
相手との関係性も影響するでしょう。
相手の考えや感情を読み取る力も必要かもしれません。
そのような能力をEQ力といいますが、自分を知るためにもこのような力が必要だと思います。
EQとは


仕事を選ぶときは自分の性格を知り、その性格がどのような仕事に合っているかを考えますが、これらの情報を参考にしていくことが近道ではないでしょうか。

コロナ渦における感情のコントロール

長らく続いているコロナ渦ですが、この短期間で大きく生活様式が変わっている方も多いのではないでしょうか。
人との距離を取るというのは大事なことで、コロナ対策としては今は最大の対策といえるでしょう。
ただ、物理的な距離は心の距離にも関係してきます。
実際に会って話をしたいという欲求に駆られてしまうことは誰にでも少なからずあるのではないでしょうか。
このような欲求の抑圧はストレスとなり、さらなる欲求に変わっていってしまいます。
最近は様々な政策が行われていますが、去年より人出がそこまで減っていないのはこのような感情の動きが集団的に発生しているせいもあると思われます。

このような人とのコミュニケーション欲求は人が集団で生きる性質があるからです。
コミュニケーションが必要なために本能的にそれを求めるようになるのは生命として当たり前のことです。
ですが、コロナの影響で人の生活様式自体が変わっている現在では、このような欲求も変わっていくことが考えられます。
現在の感情や欲求のコントロールも人類に課せられた課題なのかもしれません。

このような対人コミュニケーションに対する欲求をコントロールするには欲求を満たす方法を変えるのと、感情のコントロールが必要です。
そのためには自分がなぜそのような気持ちになり、それをどのように処理するかを考える必要があります。
先ほどもあるように、人とのコミュニケーションを求めるのは人としてずっとそれが必要だったからです。
これが長い進化の歴史の中で脳が欲求として求めるようになってきたということです。
これは見方を変えれば生活様式が変わったのなら必要ない欲求となることもあります。
欲求や感情の原因を考えると少し見方が変わるのではないでしょうか。

また、欲求の処理をする方法としては、オンラインの活用など使えるものは使っていくしかないのかもしれません。
特にテクノロジーに疎い人などは積極的に取り入れていくことが必要でしょう。
ちょうど人類はインターネットという大きなツールを使えるようになってきています。
出来る限り誰でも使えるようになっていくことが望まれるのではないでしょうか。


また、認知を意識することが大切です。
いきなり認知を変えることは難しいので、まずは意識をすることで自分への抑止になります。
また、意識をすることで状況の客観視もできるようになってきます。
客観視ができると自分のことだけでなく周りの状況や、周りの人の感情も考えることが出来るようになってきます。
それだけでも感情のコントロールをしやすくなるでしょう。

 

「自殺するなら一人で死んでくれ 」


「自殺するなら一人で死んでくれ 」

最近、いたましい事件が多く報道されています。
被害者の方、そのご家族、関係者の方には心よりお悔やみを申し上げます。
1日でも早い身体と心の回復をお祈りしております。

自殺するなら一人で死んでくれ

また、ネット上でも様々な論争が見られます。
本当に残酷な事件で、許せないと私も思います。
ですが、「自殺するなら一人で死んでくれ 」という言葉に私はハッとしました。
確かに被害者の気持ちを考えると、その発想になるのは誰でもそうでしょう。
私もそうです。
ただ、影響力がある方がこのような言葉を多くの人に言ってしまうのは少し違和感を感じました。
それは、これを聞いた、自己否定が強い方や他者からの否定を受けている人はどう思うのだろうと考えたからです。
言論の自由があるので色々な意見が飛び交う事は自由だと思います。
そこから生まれる事や気付く事も多いと思います。
解ってはいるのですが、どうしても気になりました。



このような論争は様々な思いが交錯します。
受け取る側はその言葉を否定的に捉え、自己投映をして自分を攻撃していると思い込んでしまいます。
新たに攻撃的になる人もいたり、今まで抑えてきたものがフッと解けてしまう事もあるでしょう。
相手が言っている事の真意を熟考するのを怠り、周りの人の心や未来を感じ取る事を辞めてしまっています。
逆に、言っている側も、誰かに迷惑をかけるという行為を否定的に捉え、相手が何故そうしたのかを考える事を怠り、その人の心や過去を感じ取る事を辞めてしまっています。
強い感情を抱く時はその様な思考になる事もあります。
また、それが悪いという訳ではありません。
むしろ正常な反応で、心を守るために必要な事です。
問題はその発し方だと思います。


例えば、過酷なイジメを受け、誰にも助けてもらえないような子供がいます。
友人や先生はもちろん、親でさえその子の力になってあげないという状況です。
その子は耐えるか逃げるかの選択しか出来ません。
耐えてみたものの心が負けて、逃げ出す事にしたのですが、家にも居心地のいい場所はありません。
何とか部屋に引きこもって誰とも話さず、自分の心と必死に戦うしかありませんでした。

皆さんはこのような方を見て否定するでしょうか。
これだけだと、この子を可哀想だと思う方が多いのではないでしょうか。
ですが、ここが問題なんです。
最近の事件の原因は、『このような状況を避ける事や改善することが出来なかった』事ではないでしょうか。

ここ最近の事件が全てそうだとは言いませんが、このような人が闇の中から抜け出せず、いつしか誰かを殺そうという悪意を持つ事で、自分の中のドロドロした感情を浄化しようとする可能性があるのは否めないのではないでしょうか。

もちろん、その悪意に同意する事は出来ません。
ましてや実行に移す事はあってはならないことだと思います。
ですが、原因を突き詰めていくと、その人も何かの被害者だったのかもしれません。
そこまで考えると、「一人で死ね」は極端なのかなと思います。

このような事件をなくすためには、一人一人が論争から目をそらさず、考えて想像する事をやめないことが大切なのではと思います。





最後に、自己否定に苛まれている方へ、
あなたは存在していいし、そのままの自分で大丈夫です。
無理に頑張る必要はありません。人に認められる必要もありません。
失敗しても、逃げ出しても大丈夫です。
それが次のスタートになります。
少しずつ自分を肯定できるようにしていきましょう。

自己否定を止めると自己肯定感が生まれる訳ではありません。

001自己否定が強く、何でも自分を責めてしまうという人がいます。
自己否定からその部分を正し、成長に繋げていける人はいいのですが、へんこんで終了っという人も少なくありません。
自己否定の良くない部分は「自分を傷つける」というところです。
自分が傷つくという事は、気持ちがマイナスになるきっかけになってしまいます。
そして、やる気がなくなり回避の選択をする。
更にそんな情けない自分を自己否定するという悪循環になってしまいます。
自己否定は度が過ぎると自分では止められない負のスパイラルを生んでしまいます。

自己否定に関して、自己否定を止めればいいという訳ではありません。
先ほども書いたように、自己否定から自分の成長を促す事もあるからです。
自己否定で悩んでいる方は、まず自己否定を止めようとします。
ですが、これがなかなかできることではありません。
なぜなら、自分の中に自分を否定する理由があるからです。
『自分はこうあるべきだ』
『こんな事もできないのはありえない』
『これでは他人に認められない』

というような、自己決め付けがあるはずです。
このような発想を持っていない人は、ありのままの自分がそのままの自分だと考えるようになるので自己否定をしません。
もちろん人それぞれ理想は持っています。
『理想通りではない自分は自分ではない』とは考えず『理想を成す為の今の自分』と捉える事が自己否定を止めるということです。

また、自己否定を止めると自己肯定感が生まれるというわけでもありません。
ありのままの自分を受け入れて、自己否定感がなくなっても、その自分は理想の自分という訳ではないからです。
理想の自分になれた時に、初めて自己肯定感が生まれてきます。
そのためには、行動や努力をして理想の自分に近づけていく事が大切です。

自己否定をただ止めるだけだったり、無理に自己肯定感を持とうとするのは自分の中で矛盾が生じてしまいます。
その矛盾がストレスになってしまう事もあります。
まずは、自己否定をする自分的な理由を考えてみる事が大切だと思います。

論点の明確化と矛盾の解消

元号改正から、皇族関連のニュースが多いですね。
ここ数日は小室さんの話題が多く、賛否両論を巻き起こしています。
色々な意見があって、ニュースやワイドショーでもコメンテーターによって意見が分かれる場面を良く見かけます。
ですが、ここでは少し違う角度でこの問題を見ていこうと思います。
それは、論点の明確化と矛盾の解消という点です。
この問題はいくつかの問題が絡み合っていますが、それぞれの意見で論点がずれているように思います。
まず、今後を応援したいという人は結婚というものがお互いのものであり、人がとやかく言うことではないという「結婚とは何か」を論点にしているのに対し、反対の人は「皇族が皇族らしくあるためには」という部分を論点にしています。
同じ問題に対しての論点ですが、論点が違う事によって意見の結果として矛盾している事になります。
結婚とは何かを問われれば、お互いが幸せになるためと考える人多いのではないでしょうか。
皇族とはを問われれば、国民の象徴でありお手本になることが望ましいと考える人が多いのではないでしょうか。
この二つのどちらに重きを置くかで論じているので、意見が割れるのだと思います。
本当はどちらかで論じればそこまで意見が分かれるものではありません。
ですが、そうも行かないのが矛盾ではないでしょうか。
また、どちらかが重要でどちらかが重要では無いという論点にすり替わっているようにも見えます。
「両方大事なんだけど、どうしようか」という事に意識が向かないと感情だけが一人歩きしてしまうと思います。



このような事は身近な問題でも沢山発生しています。
例えば自分の中でどうしたらいいか迷ってしまう時は、このような矛盾が自分の中で起こっているときです。
一つの点で考えると答えは決まっているのに、別の点も加味すると考えが崩れるというジレンマです。
このような時は論点を明確化して、それぞれの考えに折り合いをつけなければなりません。
単純にメリットとデメリットをそれぞれ足して、どちらがメリットが多いのかを算出するしか矛盾を解消する方法はありません。
そもそもこのような矛盾は完全な解決方法はありません。
解決方法が無いから矛盾ともいえます。
様々事に対して問題を細分化し、一つずつ向き合っていく事が大切です。
そして、その一つずつが矛盾する時もありますが、その折り合いをつける判断力こそが問題解決能力だと思います。
スルーしたり誤魔化したりで問題を解決したと考える人もいます。
力技で自分や他人を納得させる事によって問題を解決したと考える人もいます。
ですが、それで問題解決とするのは難しいと思います。
出来る限り納得のいく方法を取る事が本当の問題解決ではないでしょうか。

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プロフィール

佐屋鉄心

心理カウンセラーの佐屋鉄心です。
普段は某カウンセリングルームで認知行動療法の心理カウンセラーをしております。
様々な悩み解決のヒントとなれるような執筆活動をしています。